ちぎれたしっぽ
たま

ぼくも夏毛になりましたって そんなアホな 
暑中お見舞い申し上げます   たま

雨の日はほら
また寝ぐせがついてる犬のひげにアイロン だめかしら

どしゃぶりの雨の中しつこく猫をさがす犬 
飼い主の顔が見たい ン?ぼくか

明けても暮れても雨の日は
梅雨 猫はふざけてこたつをさがす

抜けても抜いても夏はまだ来ない
コロコロころがす犬の背中は 絨毯

ナスの浅漬けサバの塩焼き
焼酎ロックでひやしそうめん 梅雨しのぐ

ピーマンの花落ちて猫笑う畦にヒキガエルのしぶい顔
なに食べた?

一日一歩みっかで三歩
犬と歩けば何歩になるの?

犬はいぬ僕はぼく
繋がれたままのプライバシー 雨傘のした一歩はなれて歩く

どこまでもいつまでも
つながっていたい夏の雲 黄昏てまた紅い犬をさがす道

雨の日に似合わないもの猫のふぐりと
まだ紅い いちご畑

合羽着て猫またぎを釣る年金波止場はもうすぐそこに
ほっといてんか

そんなことよりも
犬にも年金猫に小判は もう採決したのかおらが村は

100年たっても笑ってる犬のしあわせちぎれたしっぽ
ヒトになれ

真っ蒼な夏
犬も猫も蝉には勝てない朝のめいわく 梅雨明け十日

陽とおなじ角度で歩く朝の猫 
夜あそびは大人の近道なの 夏休み

もういいかいもういいよ 
いいかげんに上がれよ おらが村の花火大会

ここまできたらもう安心? 
おやすみなさい カミナリこわい午後の犬たち











短歌 ちぎれたしっぽ Copyright たま 2012-07-27 11:42:56縦
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