陰/陽
itukamitaniji

陰、ダークサイド

窓の外には ずっと遠くまで夜が続いている
それを眺めている 同じ誰かと見つめ合っている感覚

見えないところ 君が知らないところで
増え続ける あるいは生まれ続ける怪物の正体は

君は戦い続ける 君を苦しめている何かと
君を知らない奴が とやかく言っていても


ずっと見つめ続けて 次第に目が慣れてきた
そして初めて知る そこに何かがあるんだってこと

怖らがせようとしているように 思えるが実は
闇は君を守ってくれる 一番身近な存在だった

醜いもの見たくもないもの あるいは見せたくないもの
今に君も 目の当たりにしてしまう時がくるよ

君は戦い続ける 君を苦しめている何かと




陽、ライトハウス

暗闇を貫くみたいに 一筋の光が伸びている
疑うことなく 真っすぐに目的地を目指して
あっと言う間に 距離も時間も簡単に凌駕して
光線はずっと遠く 見えない未来を結んだ

そんなに速く飛べないさって 弱々しく呟いて

嵐の中を 波に遊ばれながら漂流船は健気に進む
全てを諦める強さも まだ君は持ってないから


海面に映る 疲れ切った自分の顔に尋ねる
まだやるの?って 当然返答は無く黙り込む顔
まるでうさぎと亀 だけど童話みたいな展開はない
光線はすでにゴールして 君が来るのを待っている

子供みたいに 光に手をかざしてふざけてみる

まだそんな風に時々にでも 笑えるならば何にも
忘れてない証拠 取り出し方が下手になっただけ


灯台を建てて光を放ち
スタート地点を作ったのは
紛れも無い君なんだよ

暗闇を貫くみたいに 一筋の光が伸びている


疑う心や躊躇う一歩 僕らが戦うべき相手は
自分のことを愛してやれない 自分自身だった

嵐の中を 波に遊ばれながら漂流船は健気に進む
全てを諦める強さも まだ君は持ってないから

光の射す場所まで 光の射す場所まで


自由詩 陰/陽 Copyright itukamitaniji 2012-07-18 02:40:29
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