黒い角砂糖
乱太郎
安らいでいたいと思ったら
あの人のことは忘れてしまえばいい
なんてちょっぴり寂しい
食器棚からティーカップを取り出し
角砂糖をぽとんと落としてみれば
落ち着くところはやはり見えない心の底
ボロボロになったのも
ほんのわずかな時間の出来事で
飲み終えたら真昼のうたた寝でもしようか
なんてやっぱり楽天家
あの人は苦い味だったけど
ミルクでごまかすゆとりもなかった私の甘さ
いまこうして手にした思い出も
喉越し超えたら
あの頃のあの人どうしているかな
なんてきっと笑っている
自由詩
黒い角砂糖
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乱太郎
2012-07-09 13:33:14縦