朝の日記 2012夏
たま

あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしなひとだね
傘をもって
生まれてくるなんて

いちど咲いたら
もう、とじられない朝顔
みたいな顔して
死んじゃったね
みんな泣いてるよ
しかたないよね
生まれてきたんだから
あした死ぬとわかっていても
予行演習なんてしないよね

あしたのことなんか
だれにもわからない
だから
傘をもって生まれてきても
おかしくなんかない
雨のふらない人生なんて
ありえないのだから

お帰りなさい
よくがんばったね
雨の日の部屋で
あなたは朝顔みたいな顔して
眠っています
あした咲くとわかっていても
朝顔を手折るひとなんていないよね
みんな
つながっているのだから

わたしもいつか咲きます
その日がきたら
また、会えるから
いつものあかるい顔をみせて
もういちど
笑ってください

ほら、今朝の朝顔のように

もういちど
わらってください








 義妹いもうと











自由詩 朝の日記 2012夏 Copyright たま 2012-07-09 10:20:57
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