栄螺が食べられない夜
榊 慧

 泣いて泣いて目がでめきんみたくなってて洗面台で下着姿で意味不明なダンスを、原始的なダンスを、無言でダンッダンッダンッダンッダダッダッ…頭を振り乱して、揺さぶる。体重は思ったほど減ってなくて、戻りつつある。どうでもいいそんなこと!
 「悲しいなら気のふれたフリをすればいいさ」
 胃洗浄したい。ドーナツ気持ち悪い。なんであんなまずいものみんな行列してまで買うんだろう。有名な海外からの支店らしいけど。それ食べたせいでずっとキモチワルイ。
 (普通だろうと普通でなくても異常でも恋愛は恋愛に変わりないだろ)
 野生の枇杷の実を食べた。さわやかだった。
 眠剤飲んだ。
 浪人生の友人にさよならと電話した。
 レディオヘッドを聴きながら今は身体を激しく振り乱している。ヘッドホンが外れかかる。このビートで生きていきたい。けど死にたい。消えたい。:だれかおれをころせ:足元の布団がぐちゃぐちゃだ。ここは母親の敷き布団。マーメイドは散らばった。

 身体を揺する。踊る。踊り子なんかじゃない。昔はクラシックバレエやらされてたけど。おかげでなよい。踊り狂う。ラアーウンドラアーウンドラアーウンド…だんだんだんだんだだだんだアーイアーアーアーアーアーイイアーダウンダーダダーアースリープペアレンツー…メーイビー…ファンキクレイジーメーイビー…
 来世では一緒になろうね。ごめん。泣いている。
 アーレンウォー…エビシーン、エビシーンー!英語わかんね。別れのあとには新しい出会いなんて欲しくない。さらば


散文(批評随筆小説等) 栄螺が食べられない夜 Copyright 榊 慧 2012-06-24 21:50:14縦
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