造花のブーケ
kawa

私たちの星についての知識はすべて間違っていた、と
ようやく人びとは悟った



ほんとうの、私の不思議
ひかりの造花とは、いったい何なのか?
夜明けの湖のように
ゆっくりと色を変えまたたく花びらと
おしべとめしべ
少しつめたい葉脈
柔らかくつまんで、ライトに透かす
私はまるで落下する



私たちの星についての知識



造花のブーケを、小さく揺らす
ひかりが共鳴して、音が消える
犬がねむる
鳥がねむる
私は、声なくつぶやく

君に会いたい



私たちの星についての



生きていくには、花が必要だ
花のいのちを終わらせて
コップに飾る
あるいはしばらく持って歩いて
橋のうえから投げ捨てて
祈りをささぐ
花のいのちを終わらせて



ただの君と私だけの



いつも聴きにいってた君のピアノ
いつも好きだった
いつもいつも好きだった




自由詩 造花のブーケ Copyright kawa 2012-06-23 19:11:36
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