幸せになれ。
榊 慧

 音楽を聴いて不安をごまかしてる。けれど不安は次々とおりてきてわいてきて俺は枕に顔を押しつけておお…おお…おお…ああああ…とうめく。本も読めない。不安が勝って。こわい。つらい。ふあん。
 俺の自己なんて意味はなくただ不安と死っていう確定的なものと不安と不安と不安、だから俺が詩を書いたりするのは自己表現ではない。誰かの代わりに俺があなたの絶望引き受けるよ、っていうスタンス。俺、絶望に関しては一流だから。だれにも負けないから。今も心臓めちゃくちゃ痛いしね。動悸とまんないしね。不安で不安で不安が俺を殺そうとしてるのわかるからね。家から東尋坊への行き方までしらべちゃったよ、今日なんか。絶望してる人は一回俺のところまで。絶望押し付けにきて下さい。俺が代わりにその絶望ずっと、一生、抱えていきますから。
 俺の絶望?それは世界ですね。現実のすべてですね。生ですね。生まれたときからです。ずっとです。それらは俺をなんとかして不安という形で殺そうとしてるんです。わかっていても不安が強くなると死ぬしかないねってなるんどすけど。だから君たちの絶望も俺はもらいますよ。投げて下さい。キャッチします。ああ不安。不安だ。
 生まれたときからね、「お前は数々の絶望を感じて生きろ、絶望に絶望しながら生きろ」ってもう決められてるのね、俺。なんで俺なんだろうね。俺も知らない。不安。俺、一回絶望したらその絶望を流せないんだ。どうやっても離れてくれない。心臓痛い。それでも俺じゃない世界が愛であふれてるといいな、


散文(批評随筆小説等) 幸せになれ。 Copyright 榊 慧 2012-06-20 21:23:17
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