レインシック 或いはシンメトリーな憂鬱
そらの珊瑚

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断面を滴り落ちる雨粒はあの日に還れぬ哀しみの匂い

断崖を打つ荒波にとびこんだペンギンたちまさに今とびこんだ

鳥。飛ぶことだけを目的に骨の密度を軽くして 空。

忘れ物したばかりにカタツムリに戻れぬなんて ナメクジのしくじり

存在の境界線は柔らかく塩に出会って溶け出していく

大音響たてて刈られる緑たち 嗚呼、雑草であったばっかりに

うすあおに色づいてゆく君がいてひと雨ごとに僕は恋する

泣き顔の上に笑顔を上書きし僕らの日々を続けていこう

とりあえず君をイヴだと名づければ等しく僕ら末裔ですね

突然の夕立ち背にし駆けるよう人はとまどい生きてゆく

生きている限りいつでもやり直すことができるって本当ですか

もしもし、とつながる先で もしもし、と答えるあなたの声を知ってる




短歌 レインシック 或いはシンメトリーな憂鬱 Copyright そらの珊瑚 2012-06-18 09:01:07
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夢見る頃を過ぎても(短歌)