帰省#3(即興)
月見里司

送り盆ではこうするのだと
山のような握り飯を作っている父は
背中だけ見れば
往時のままだった

送り火の陰に
茄子の牛
誰かの出て行った気配とともに
盆はつつがなく終わる

ごま塩の握り飯を一口齧り
蝉の不恰好なトレモロは続く


//2012年6月13日


自由詩 帰省#3(即興) Copyright 月見里司 2012-06-14 00:05:54
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