おぼえてる
梅昆布茶

なかなか顔と名前が一致しなくてごめんね
でももう時が来たのだね
なにもかえせなかったのに

君が担いだにもつおもそうだった
かわってあげられないけど許してくれるかな
でも自由を手に入れたんだね

あしたもまたヒースのおかにたたずんで
君が降りてきたそらをながめ
やさしいかぜを感じてるだろう

この星は豊かな水と無限のいきものと
土のおもさと変化する炎と大気の呼吸でできてる
笑いと涙とちいさなジョークのうえで
ちょっと焙ってやれば食べごろだ

きみの名前がうまく発音できなかったし
きみのようには心で話せない
ぼくたちは不器用な地上の生き物
最低で最高のランナー

でもここで愛をはぐくんでゆく
活版印刷で大量に刷られてのりとホチキスで
製本されたペイパーバックみたいにね

おぼえているよ
きみが落葉の丘で編んだ
タペストリーになにを織り込んだのか
風にどういう歌をおしえたのか

ぼくたちはしがない
アンダーカバーエンジェル
永遠におとり捜査を
続けてゆくんだもの




自由詩 おぼえてる Copyright 梅昆布茶 2012-06-07 02:02:47
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