たいせつなもの
梅昆布茶

あなたはそれが
遠いところにあるとおもっているのでしょうか
海にわきあがる雲をみているように
自分にはかくれてるように感じたのでしょうか

風が蒔いていった種はどこかで芽吹いて
きっとそこには春がおとずれるのかもしれない
ミモザやオジギソウがやわらかなあいさつをかわす春が
そういつもそれを願っているのです

つたえたかったのは
あなたの呼吸を静かにたもつように
あなた自身をととのえてほしいということなのです

また深い憂鬱のくさりでじぶんを縛らないように
自虐のやみを引き寄せないようにいのっています

たいせつなものをひとつづつきちんと選んでゆかないと
このままでは失速してしまうのですよ

あたしを大切にしてくれないというあの人や認知されてないけれど愛する子供
そしてライブのよるに忘れたあなたの黒いヒール
執着するなとはいいませんただきちんと選んでほしいのです

捨てたいものを次の項目の中からひとつえらんでくださいな

1 ウオッカがないと眠れない夜

2 男運のわるいじぶん

3 みんなとワイワイやりながら過ごした飲み会

たぶん無理にでも捨てなければいけないものだって
あるのです

ひとつひとつ多少間違ったにしてもエラーを消去していかないと
あとにもさきにもすすめないとおもっています
血も涙もないわけではないのです
ほんとうはとてもかなしいのですよ

曖昧なのが好きなのよねなんて言わないでくださいね
だったら僕にしあわせって何ってきかないでくださいな

相談してくれるのはかまわないのですが
ぼくだってほんとうは
あなたのたいせつなものに
なりたかったのですから



自由詩 たいせつなもの Copyright 梅昆布茶 2012-05-09 22:12:25
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