ダーウィンの愛したオランウータン
梅昆布茶

ダーウィンはロンドン動物園の小さなジェニーがお気に入り
彼女は言葉を理解しおやつをおねだりし公爵夫人に自分の可愛いドレスを
見せびらかしたり本当に人間の子供のようだった

1832年にビーグル号で南米パタゴニアのフェゴ島に上陸したダーウィンは
恐ろしい顔には白いペンキを塗り肌は汚く油染みて
髪の毛はからまり身振りは乱暴で尊厳の一つもない...人類と出会う

尾と尖った耳をもった樹上性のキツネザルから真猿類をへて
この宇宙の驚異と栄光である人類が生まれた

いまや宇宙船ビーグル号は空想科学の宇宙で1000人の科学者と軍人を乗せて
銀河間を飛翔する

チンパンジーは枝をかみちぎってシロアリの塚に差し込む
僕達はiPodに何千曲も入れてシャッフルしても一生に一度も
聴かない曲もあるだろう

僕達には世界樹の一番はずれの
風通しの良い枝のうえで昼寝できることを
最大の幸福だと感じる自由が
許されてるとおもうのだね 

進化論とは関係なくぼくのお月様はときどきおやすみを言ってくれるし
星の王子様なんて箱根にミュージアムまでできてるんだぜ

言葉は誤解の源なんだ

砂漠が美しいのはどこかに井戸をかくしているからだよ

なんて言葉が流れてるのかもしれないな

そして14万3000年前の人類の共通の祖先である「アフリカのイブ」は
ビートルズのルーシーから名前をもらったんだってね

でもビートルズは進化論で幸せになんて唄ってないとおもうし
ダーウィンはジェニーをお気に入りのままで
おいておけば良かったのかもしれないな




自由詩 ダーウィンの愛したオランウータン Copyright 梅昆布茶 2012-05-06 12:41:57
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