fauna
鎖骨


明日への扉なんてものは全部
閉ざされてしまえばいいんだ
性欲を喚起するだけの流行は
穢らわしくてもう耐えられぬ
と彼女は日付変更線上で叫ぶ




何も知らないままでいたくて
早くして世間と隔たった二人  
空想で出来た不可侵の宇宙へ  
自らの意思で未来を捨てた事  
むしろ誇らしく思えた白い掌  




普通の生活一般的な社会活動  
そういう全てが煩わしかった  
一抹の理性で理不尽を殺して
生きてる振り生きてる振りを
続けなければならないならば




実らないままに終わる幸福を
手にした予感に一時恍惚して
それきりで閉じてしまいたい
閉じてしまいたかった



自由詩 fauna Copyright 鎖骨 2012-04-24 00:50:18
notebook Home 戻る  過去 未来