うたのはずれのうた
梅昆布茶

あるひめざめたら
さびしいにんげんが
さびしいにんげんのあしを
ひっぱっていた

高級なこどくが秤にのって
じぶんの重さをはかっていた
うしろすがたをみるとかみさまだった

あるひめざめたら
のうしゅようの友人は亡くなっていて
毛布だけがのこっていた
その痕跡がいちばん彼らしかった

あめのハイウェイはせかいを
静謐な残酷さで満たして
ゆっくりと墜落してゆく天使が
みえたきがした

せかいがたったひとつの言葉から
なりたつということもありうるかもしれない
それはいま沙漠のすなのなかにうもれてしまって
だれも気がつかないだけなのだ

あるひめざめたら
つくえの引き出しのなかで
せかいが死滅しているということもありうるかもしれない

そしたらこんどは
だれが世界を造ってくれるのだろうか?



自由詩 うたのはずれのうた Copyright 梅昆布茶 2012-04-17 23:33:38
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