あおい国 2
壮佑


巡り来る日々と
ぼくらの幼い憧れとの隙間から
木洩れ日のように降り注ぐ光

聴こえて来るだろう?
光の後ろ側の国から
あの/弾む息が
リズミカルなステップが/

国境線で
少女がなわ跳びしている

 /あや跳び

迷子になった憧れの名を呼び
鉛色の夜に吐くぼくらのため息を
サファイア色の星に変えて

 こうさ跳び/

星は夜明けの空へ溶けて行き
朝霧に覆われた海を晴らす風になって
千の歌声と共に還って来る

 /かけ跳び

昼の都市を駆け抜ける風の歌
千の言葉の中から 憧れの名を聴き分けた時
ぼくらは遂に はぐれた憧れと巡り会う

 はやぶさ!/

憧れは美しい夕星の花嫁に変わり
ぼくらはあおい影を持つ青年になって
花嫁に被せる ラベンダーの花冠

 /ふたり跳び

さあ 二人でなわの片方を持ち合って
一緒に跳ぼう 国境線を越えるんだ 
未生からの約束の地 あおい国へ

 (少女がクスクス笑って祝福している)

ぼくはいつも
あおい国を探している

国境線で
少女がなわ跳びしている国だ






自由詩 あおい国 2 Copyright 壮佑 2012-03-29 20:59:10
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