潮流
ただのみきや

夜明けの明けの
ほのあおい闇と光の均衡に
無垢なクラゲが部屋を舞う
流れるままに漂って
夢から溢れたクラゲが舞う

夜明けの明けの
ほのあおい夢とうつつの端境に
大きなクラゲが天井を過ぎる
照明に触手が絡まって
ぎこちなさげにクラゲが過ぎる

夜明けの明けの
うみと融け合う部屋の中
クラゲと一緒に泳いでいる
何故かは気にはならないが
何とかしないといけないような

夜明けの明けの
夢の入り口が萎むころ
どうにかクラゲを捕まえて
連れて行こうとしたその時に
刺されて 痺れて 金縛り

夜明けの明けの
浅き眠りの金縛り
ああたまらない心地よさ
潮に流され誰かの夢にうちあげられ
ヤシの実のように 波に洗われ



自由詩 潮流 Copyright ただのみきや 2012-03-22 23:00:15
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