ジャ〜ん
あおば

                        120319



プーブカ鳴るラッパの音で目を覚ます
漁獲規制の銅鑼が鳴り
天ぷら長屋で眼を覚ます
騒がしい朝の訪れに
着流しの身が恥ずかしく
詰め襟に着替えたが
隣家の兄さん冷たい眼をして無愛想
ありがとうございましたのマニアルセリフを身に着けた真夏の登校日
今日も天気は良さそうで
石ころ蹴飛ばし駈けだそう
ぼんやりと思いだせ
幾重にも閉鎖された崖沿いの道からは終電車へと急ぎ歩く人達の靴音が乾いて響き
白夜を周回する都バス従業員は過熱した動力用バッテリーを手慣れた手つきで停留所脇の冷却装置に繋ぎ
時間つぶしのタバコ代わりに傍らで見守る人達にも愛嬌をふりまき、慌てる様子は微塵も見せない。






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作



自由詩 ジャ〜ん Copyright あおば 2012-03-19 19:52:56
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