光の彫刻館
梅昆布茶

八丁湖に近い里山の中

築130年の古民家をマスターが再生させたという

彼は光の彫刻家漂泊の魂


彼のミュージアムで光の芸術を見せてもらう

暗やみのなか中心となるオーロラ様の赤を基調とした3次元のオブジェは

その周りを衛星のように取り巻く5つの小さなオブジェと

微妙なシンクロで暖かな焚き火のように
光の踊りを舞う

そんな陰と光の小世界の不思議な時間と空間を暫し旅する


そう言えば以前新宿南口の沖縄料理店で浜田澄子さんという画家さんと

飲んだことがあって彼女の作品のテーマはアンビエンス

なんだか彼岸と此岸の境界みたいな意味らしい

大胆な青を貴重とした色使いで和紙を使った

コラ−ジュ作品も輪郭のはっきりしたものだったし

彼女もさっぱりした中性的な美人だった


でもラルフタウナーとかブライアンイーノとか音楽の話ばかりしていたっけ

ああいうアート系の人といるといつも一個か二個か頭のネジが吹っ飛んじゃって

あちらの世界を彷徨うのがつねなのだけれども


光と陰の小世界を出るとそこは森のなかの静かなカフェテラス

コーヒーと手作りケーキ付きのおしゃれなランチをご馳走になる


なんと僕には似合わないシチュエーションだろう

隣には友人のジェロ向いにはジェロのバソコンの弟子で24歳の女の子


いいさ人生ってあの光と陰の小世界みたいにグラデーションしてくんだしさ

時には導火線に火をつけてくれる人に会うのもいいもんだよね

ただ自分が壊れない程度にね


光の彫刻館はひょっとして僕のこころの森のなかにも

ひっそりとあったのかもしれませんね

あの優しい光の世界はね





自由詩 光の彫刻館 Copyright 梅昆布茶 2012-03-11 01:52:27
notebook Home 戻る  過去 未来