生き方を透過する
かんな

誰かの影を追い求めて
それはいつしか自分であったりする
ことばの端数を持て余して
拙い告白を露呈する

わたしなど
と吐いてしまえば楽になる
(それは逃げることに等価して
涙を引いて生きることなど出来ない

恋という演算を
何度でも何度でも間違えることに
意味を見出す
間違えることが正しいかのように

法則は限りなく透明で
誰にでもわかるよう、
誰にでもわからないよう、できている
色めいたら何かがはじまる

季節を
時の流れを口にしないと
皿の底に取り残されたスープのように
存在は消失を免れない

花が咲いている
その道の途中で空を見上げれば月
ああ ただ
夜という事実に気づくようだ



自由詩 生き方を透過する Copyright かんな 2012-03-06 19:40:36縦
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