少女のインサイト
アオゾラ誤爆

よく目がみえないとおもった

いつのまにか伸びた背丈
ひざうらにぬるい風
イヤなあの子の後ろすがた
引き潮みたいに校庭に吸われた

本棚の
手紙のひみつ
バラされたくなかったら
図鑑の表紙をやぶってみせて
先生ならかえってこないよ

ハサミをわすれた日には
この世でいちばんきれいな花を
絵に描いて
わたしにおしえて

知らないひとの会話の中に
やっとのおもいで居場所をみつける
ひとつ
ふたつ
みっつまで数えた
次のページはどんなふうに
転がってしまうだろう

大丈夫
大丈夫……

うまく色の抜けなかった髪
すなぼこりにまみれて
歯ざわりのわるい春
はやくにげ出してそこまでいきたい
教科書通り
ちゃんとやるよ


自由詩 少女のインサイト Copyright アオゾラ誤爆 2012-03-06 06:00:22縦
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