『知るということ』
あおい満月
したい何かを数えていくほど
したい何かが見えなくなる
まるで
皮を剥ぐように
剥いで剥いで、
剥ぎきってなにも見えなくなるように
出来ることよりも
出来ないことを知ることと誰かがいう
出来ることと
出来ないこととは
ひとつのひかりと影で
どちらとも
失なってはならないもの
けれど、
わたしは怖れてしまう
出来ないことを
まるで死のように
出来ることを知っているのは
わたしはわたし一人でいい
それなのに
他の誰かにもとめることは
ひとつの世界から
存在を断たれることの
まぎれもない畏怖
死にたくない、
ただそれだけ