もう戦争には行かない
梅昆布茶


やまない雨

ひとりぽつんといる

すべては遠のいているし

この部屋できみという花が萎れてゆくのをじっと見ている


ふりしきる雨はやがて氷雨となって

言葉を紡いでゆく


フィルオクスというソングライタ−がいた

76年に自殺したがよい詩人でもあった


彼は戦争は終わったと歌って自殺したのだ

容姿もよく皆に好かれた彼には何の悩みがあったというのだろう

過度の繊細さのほかには


ボブディランと並び称された彼は真のプロテストソングを歌い

それでも神経を病んでいたのだと思う


コマ−シャルを嫌い吟遊詩人の魂を貫いて死んだのだね

まあ僕は生活に病んでいるだけなのだけれどもね


彼の旋律は昔の恋人に会うようにやさしい


いちばんすきなのはジェイムスディ−ンの歌だけれどね

ちょっと切ないピアノのイントロがとても胸をうつのだよ

とても良いバラ−ドだね


彼はギタ-の6本の弦で愛を奏でる僕の指針

彼は歌った

愛のためだろうがどんな言い訳のためだろうが
俺はもう戦争には行かない
絶対に行くもんか




自由詩 もう戦争には行かない Copyright 梅昆布茶 2012-02-17 01:01:52
notebook Home 戻る  過去 未来