かんむりょう
蒼木りん

田舎育ちのせいです

おとといの夜
雨の降る匂いがした

田舎も
もう変わり果ててしまったけれど
春の来る
土の肥える匂いは今も変わらず
わたしの脳に刻まれていて
枯れ草の下の土の息づく匂いは
毎年感じとることができて
古い記憶の映像を見せる

人のために
しいては
自分の心のため
わさわさしているうち
もう若い目が出ている

なんて
せっせと
なんて
せっせと
大地は生きているんだろう

冬を超え夏を超え
雨をしのいで
セキレイは大人になった
むかしは口をあけた雛だった

せつないことを
乗り越えていきてゆく

半分生きた
かんむりょう



自由詩 かんむりょう Copyright 蒼木りん 2012-02-07 11:03:11
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