さようなら、ピーター・パン
itukamitaniji

さようなら、ピーター・パン

大嫌いな方の僕を いつか置き去りにしてきた
長い時を経て 離れたつもりでいたんだ
たくさん歩いてきたけど 結局同じ場所に戻っていた
変わらない姿の「そいつ」は 変わったフリした僕を笑った

ぐるぐると廻って 全部は無駄足だったんだよ
結局何も変われなかった 僕を誰か笑ってくれるかい?

本当の僕は 旅に出た方だったのだろうか
それとも 置き去りにされた方だったの?


長かった旅を ようやく終わらせる気になった
目的は早々に失くして 随分と時間が経ったけど
進むしかなかった道 それしか方法を知らなかったから
それでも振り返れば 確かに繋がってる足跡

何か大層なことを 成し遂げたわけでも無いから
ゴールテープも 誰かの歓声も拍手も無い場所へ

そこで見上げる空は 一体どんなだろうか
そこで見上げる星は 一体どんなだろうか

そうして 僕の中のピーター・パンは
静かに居なくなるんだ さようならも言わないで


逃げてしまう勇気も 立ち向かう強さも
どっちも持ってない ずっとそんな生活だった
張り詰めてた糸を ついに断ち切って
僕は落っこちる また真っ白な世界へと

そうして 僕の中のピーター・パンは
静かに居なくなるんだ たくさんの記憶を残して


自由詩 さようなら、ピーター・パン Copyright itukamitaniji 2012-02-06 00:08:29
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