誘拐ハーメルンの夕べ
石川和広

楽し歌に狂いラッパをそえる
公園で
あなたわたし、
すれちがい、

やあひさしぶりと
云うには、北風に追われてわたしの信
折れようとする

もろい
もろい
ハーメルンの笛吹

わたしあなたの前より突然消え
のりこえられぬ時間
ただ
音色にごまかし
公園の外に出たい

わたしさみしき
訳だけで
あなた過ごせし
わたし異鳴る時差
無視し
のに
わたし
幽閉あなた
勝手な物語を
脱出させたし妄欲
音色に託し
胸がねじれたの
灯りの夕で


自由詩 誘拐ハーメルンの夕べ Copyright 石川和広 2004-11-29 00:19:09
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