絡繰ロザンナ
只野亜峰

車輪に絡まる薔薇の恩寵
手首に滲みこむ利休の水晶
捨て猫のような鳴き声を上げて
夜空を見上げた少女は歪に

絡繰仕掛けの恋に身を焦がし
焼かれた翼で暖を取りながら
絡繰仕掛けの悲劇に酔いしれ
今宵も喜劇を嗜むのでしょう

享楽を謳う道化師のように
捥がれた右手を目で愛しながら
絡繰仕掛けの少女は明日も
向日葵のように咲き誇る


自由詩 絡繰ロザンナ Copyright 只野亜峰 2012-01-15 18:00:26
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