むーちびーさ
AB(なかほど)

こんなことでもなければ
何もこんな時季に帰っては来ない
間に合ったのか間に合ってないのか
話もそれほどしていなかった親戚中が集まって
おじいは三十一だった
その倍以上も時を待って
あたりまえのように迎えてに来てくれるんだと
もう少しで花の風車だったのにね
おばさんたちも
いつの間にそんなに背が縮んじゃったのかね
僕はもう背は伸びないよ

軽便鉄道とか畑のこととか
油喰坊主とか耳切り坊主のこととか
      この家で聞いた話だよ

台所では孫の女房連中がまかないをしながら
いつのまに いつのまに
あっと いうまに





自由詩 むーちびーさ Copyright AB(なかほど) 2012-01-08 22:31:06
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