竜言飛語
あおば

               120102



うれしかったことはなにもありません
うまれなければよかったのにと
憎まれ口を叩く腹の上に360キログラムの石を載せる
どすんと落とし押し潰されてしまえと願えども
頑丈な筋肉で覆われた憎まれっ子の腹はビクともしない
うんと一声、石を跳ね上げ吹っ飛ばす
屋根を突き破り隣の町へ飛んでった
除夜の鐘を合図に一斉に飛び回る石が空中でぶっかっては夜空に火花を散らす
意気地のない軟弱な石は擦り傷に耐えられず元居た場所に落下して地面に潜るが
数多の衝突を繰り返し弾丸のようにスリムになって
町を跳び越え異国に辿り着くのもあり
黒竜と名乗り
リッチマンの修行を終えて故国に凱旋したり
そのまま異国に居ついたりして威力を増した
尊敬する人は居ませんが
尊敬に値する石は存在しますから
これからも力を養い
石を弾き飛ばす修行に努めます
書き初めに竜言飛語 と認めて
今夜はぐっすりと好い夢をみるんだ







「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作 タイトルは、クローバーさん



自由詩 竜言飛語 Copyright あおば 2012-01-02 22:56:19
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