It's a beautiful day(変わらないひと)
恋月 ぴの

気合入れて目覚めても
去年となんら変わることの無い朝だった

それでも
いつもの年とは変えよう
変えてみよう

初春は一途な決意が大切なんだと自らを奮い立たせ

買いだめしておいた菓子パンとか齧りつつ
ひとりぼっちな元日の朝を迎えた




それでも考え方を変えてみた

変わらないからいいんじゃない
とか

だって、朝目覚めて誰か横に寝てたら困ってしまう

たいがいがお金にだらしない男で
ずうずうしくも寝正月を決め込まれ

ふとんのなかから手を伸ばすと
わたしの弱いところへしきりと舌を這わせてきた

ぬくいふとんのなかが
あり地獄と一緒だったなんて気付いてしまうは切なく哀しい




クリスマスから年末にかけて
やたらと幸せそうな家族をみかけたよ

おんなの子はやっぱ可愛いね
さらさら揺れるきれいな髪は愛情のしるし

幼さと甘え上手は
おんなの生き抜く手立てと心得たのか
おしゃまな身振りで
パパの大きな手のひらを弄ぶ




初夢はいつか見た正夢の続きだった

ほんわかとかじゃなくて
なにげに怖い系な夢だったけど
恋愛がらみの夢じゃなかったのは不幸中の幸い

勘違いな目覚ましの音に目覚めると

いつもの部屋で
いつものふとんのなか

パジャマの下を脱がされていたなんてありえなくて

ちょっと残念
ちょっとほっとしながらも
寝相悪さに乱れたふとんを整えれば

去年までと何ら変わらぬ、大根芝居の幕が開く





自由詩 It's a beautiful day(変わらないひと) Copyright 恋月 ぴの 2012-01-02 16:45:35縦
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