新しい年も続きを生きる
ただのみきや

長年やってきた
自分というものを
衣服のようにスルスルっと
脱ぎ捨てられるなら
別の物語の主人公にも
なれるかもしれないが

すべてを新しくしたつもりでも
自分という本質は変わらない
カウントダウンで変わるのは
年号の数字だけ

心機一転
白紙にもどして
この物語の続きを
同じしがらみを負って生きていこう
誰かの物語の中での役どころは
その誰かに任せておこう

時折
観客席に腰を下ろして
遠い目で自分の人生を眺めたり
誰かの素敵な物語にのめり込んだり
そんなことを
くりかえしながら

そう
熟成されることはあっても
リセットされることなどないのだから




自由詩 新しい年も続きを生きる Copyright ただのみきや 2011-12-31 22:34:02
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