イブ
はるな


クリスマス・イヴでおもいだすのは
てんちゃん

むかしの彼女
会ったことないけど
クリスマス・イヴに
死んだってゆうから
自殺で

去年
好きだったバンドのボーカルが
死んで
てんちゃんの
むかしの彼女と同じ日だなと
思った
今年も思った

てんちゃん
いつも同じ角度でうつむいてるのしか思い出せないや

その後
ちんちんはちゃんと立つようになったかな
てんちゃんあのとき
セックスすればよかったね
けど
しなくてよかったとも
思う
てんちゃんは特別
セックスしないくらい特別

てんちゃん
かなしみを
かなしみきって
はやくこっちにおいでよ
笑ったり
泣いたりして
また一緒にあそぼう

それとも
てんちゃん
クリスマス・イヴに死んだ彼女のことも
わたしのことも
すっかり
忘れているかな
いいよ
そうできるなら
いいよ

てんちゃんなんで
あんなに不幸そうだったのかな
てんちゃんのどの部分も
そんなに好きじゃなかった
悲観的だし、痩せすぎてるし
キスも痛いし
てんちゃん
でも
特別だった

てんちゃん
クリスマス・イヴ
どう過ごしても
逃げられない
一日を
生きて過ごすなら
受け流すしかない
受け入れることも
受け止めることも
できず
よわよわと
うつむいて

てんちゃん安心してくれ
わたしは生きてるし
クリスマス・イヴには
また誰か
死んでいく
安心して
てんちゃん
わたしはクリスマス・イヴに自殺したりしない

てんちゃん
どこにいったんだろう
うつむいていて
そんなに好きじゃなかった
でも
特別だった



自由詩 イブ Copyright はるな 2011-12-24 01:23:05
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