登校日
服部聖一

夏休みの特別登校日をちゃんと聞いて帰らないような子供だった
虚弱体質で、勉強もできなかったが、不思議と理科だけは、とても好きだった

夏休み、何をするでもなく
ふらっと魚釣りに出かけては、昼寝をする毎日だったと思う
その頃の夏休み、どんなことを考えていたのか

学校に集まり 夏の夜空にある星を眺めた
はっきりとした記憶


冬の星座は詳しくないが、
夜空に懸かる天の川やカシオペア、
夏の大三角ベガ、
デネブとサソリ座の赤い星アンタレス、
北斗七星のひしゃくの五倍先にある北極星を
クラスのみんなと見上げた

もしかすると、先生と私と数人だったかもしれない
夜空はいつも眺めていたし、星空のことは理科の授業でもしていた
サツマイモのツルが伸びて、夏の盛り
だが、ほんとうは、いつのことだったのか


私は、学校に行かなかったのかもしれない
忘れていた私を、先生は特別に夜に呼び出したのかもしれない
と、ふと思う

夜に学校に集まる という
夏の日

私は、夏休みの中で
夜空と先生のことだけをはっきりと、覚えていたりするのだ


自由詩 登校日 Copyright 服部聖一 2011-12-18 17:39:38
notebook Home 戻る