未満
たちばなまこと
両手のひらから 掬った砂糖をこぼすように
太陽を背中にしょって 始発を待つように
便りが届く
穏やかな風が吹き
背骨がふるえる
思わせぶりを横にやること
厚みを保つこと
きみはやさしいから
責めたりはしない
噂話を信じない 人ばかり
ならいいのに
高まらないことを望む
したたかさで
誰かにあたためられることを
想像してしまった後の罪悪感
心臓が剥けることを恐れながら
触れてみたい
きみの左側を
右手のひらでなぞり下ろす
それは昨夜の
涙の筋だった
自由詩
未満
Copyright
たちばなまこと
2011-12-14 06:35:29