星の子供達
梅昆布茶
僕達は北極星からやってきた
銀河の闇を切り裂き
暗黒星雲や超新星と交感しながら
遥かな光年をやってきたのだよ
オーロラのカーテンをゆらしながら
氷雪を溶かしながら
地上に降り立った魂なのです
そしてストーンヘンジは星を測るおもちゃ
ナスカの地上絵は僕らのアートです
ゴンドワナ大陸を悪戯して壊してしまったのも
僕達なのです
地球の雲といっしょに流れてゆく
そしてイングランドの牧草地帯を吹き渡る風なのです
無名戦士の墓やボスポラス海峡を走り抜けます
針葉樹林をゆらし中央アジアのステップをかすめ
ヒマヤラの山壁をかけのぼってゆく風なのです
ピラミッドを風化させ紫禁城を高みから見下ろし
幾多の戦場の血の匂いを拭い去ってきました
120臆光年の未来からやって来た僕らは
この緑色の星を循環させます
祈りのある人びとにはたぶん僕らの姿は見えるのですね
メタセコイアや翼手竜やバクテリアの次元の命までも光をとどけたいのです
風のなかにすべての生きとし生けるものの喜びや哀しみや叫びをのせて
僕たちは巡ります
目的はありません
意味も求めません
ただただ星の光をとどけたいのです
循環する世界の片隅のすべての場所へ