師走のひと
恋月 ぴの

嫌なものはイヤ!
そんな思いと折り合う

でも、おとなの分別とかじゃない
ひとが生きるって
爪先から血が滲むほど世間ってやつにしがみついて

それで何とかまっとうできる

違うかな




だからって、いきがるわけじゃないけど




正直だけじゃ生きてはいけない
なので

ひとごとみたいに自分を生きる

なんか虚しくて
わたしだっていっぱしのヒロインになりたかった

みんなに認められて
みんなにうらやましがられてさ


みんなってのがキモなんだ




時代は常に移り変わって
あっというまに時代遅れになってしまう

だけど
いつの間にやら、くるっと地球を一周してくれるから

こんなわたしだって時代の寵児に

なれるかな

ねぇってば、わたしだってなれるよね




スマホならもっているよ
あのアイフォンじゃないけど

電車のなかで
ちょっとどや顔してね

ネイルした指先でラヴなデコメとか彼氏に送ってみたりする

今朝も遅刻じゃないよ
昨日だって遅刻していないけど

なんか年末って忙しくて

お化粧の乗りだってこんな具合に今ひとつ




メリークリマス!

って

みんなの素敵な人生にとっておきのラヴしてあげる








自由詩 師走のひと Copyright 恋月 ぴの 2011-12-05 17:17:04縦
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