師走のひと
恋月 ぴの
嫌なものはイヤ!
そんな思いと折り合う
でも、おとなの分別とかじゃない
ひとが生きるって
爪先から血が滲むほど世間ってやつにしがみついて
それで何とかまっとうできる
違うかな
※
だからって、いきがるわけじゃないけど
※
正直だけじゃ生きてはいけない
なので
ひとごとみたいに自分を生きる
なんか虚しくて
わたしだっていっぱしのヒロインになりたかった
みんなに認められて
みんなにうらやましがられてさ
みんなってのがキモなんだ
※
時代は常に移り変わって
あっというまに時代遅れになってしまう
だけど
いつの間にやら、くるっと地球を一周してくれるから
こんなわたしだって時代の寵児に
なれるかな
ねぇってば、わたしだってなれるよね
※
スマホならもっているよ
あのアイフォンじゃないけど
電車のなかで
ちょっとどや顔してね
ネイルした指先でラヴなデコメとか彼氏に送ってみたりする
今朝も遅刻じゃないよ
昨日だって遅刻していないけど
なんか年末って忙しくて
お化粧の乗りだってこんな具合に今ひとつ
※
メリークリマス!
って
みんなの素敵な人生にとっておきのラヴしてあげる
自由詩
師走のひと
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恋月 ぴの
2011-12-05 17:17:04縦