今日という日は死ぬけれど
ただのみきや

  傷だらけの携帯電話を見ながら
  明日のことを思いめぐらす
  不利な戦いになる
  このまま今日が続くなら
  
  偶然とは理由がわからないだけの必然
  真夜中に白い氷が降りはじめると
  唇からいつものメロディーがこぼれ
  絞め落されたように眠るだろう
 
   一瞬 時が止まるころ

  誰かの夢の中で脇役を演じているが
  夜明けはそっと忍びより
  あっという間にすべてを剥ぎ取る
  もうまぎれもなくおれは明日
  結晶化した人格を竜巻が迎えに来て
  目まぐるしい砂粒となって街の獣たちの脳裏に地図を描く
  天地は反転し 人の性は
  無機質な理想郷の地表にまで届くだろうか

   明日になる今日は昨日になり明日は今日になる

      おれは過去の夢
            現在の幽霊
                未来の子供  



自由詩 今日という日は死ぬけれど Copyright ただのみきや 2011-11-27 23:19:58
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