秋空のひと
恋月 ぴの

どこかで誰かが泣いていた

悲しくて
それとも恋しくて




悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう

なぜって
切羽詰っていないから




秋の空は青く

確かめたわけじゃないけど
わたしの体のなかを流れる血の色は紅葉みたくに赤いらしい

損得勘定以外の何かで
あなたとわたし
つながっているはずと思いこみたくて

時には投げつけられた言葉に

傷ついて
涙なんか流して

それでも沈黙を取り繕うと発した言葉は

つまんないドラマの台詞みたいで
ひとときの悲しさに酔いしれていたかっただけの自分に気付く





風が泣いている

もうそんな季節になってしまったと
前髪をかきあげ

襟足寒さ感じるかなとか
長い髪切るって決めたとたんに迷いだす






自由詩 秋空のひと Copyright 恋月 ぴの 2011-11-14 12:45:48縦
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