あまりにも暗い詩
番田 


時はいつも
私たちを孤独にする
今日も そんな気がしていた
ぼんやりと流れていく 風の中で
何かを叫んでみても
あまり 意味はない
意味のないことを続けてみても
明らかにその意味はないのだろう


私は そんな気がしていた
時の中で
そこで 思いつく どんな言葉を吐いてみても
あまり 意味はないのだろう


それは いつも 確かではないのだが
色々な国からやってくる人たちの顔を見つめていた


日本も 国際化していくのだと思った
覚えていた英語など役には立たず
それは ほんの一部の国の言葉なのだと思い知るだろう
そんなことは どうでもいい
過ぎていく 時は いつも
具体的な希望を私たちには示さないから
短い夢を見させられていたような気がする
それは あまりにも遠く離れた 風景だった
私の影だけが くっきりと見える
雪の上に落とされた 木の形
囲炉裏の上に立ち上がる 無数の炎
そんなものを思い浮かべた
手にした将棋のコマの一つを握りしめ
次の一手を 考える
そこにあったのは 汗だくな私の姿だ


今日も 遠くに ぼんやりとした風景がゆらぐ
そして 私は 一人 歩き出すことだろう
小さな その手に 何も持たずに
私は そこから 帰ってくることなどないのだ



自由詩 あまりにも暗い詩 Copyright 番田  2011-11-13 02:02:57
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