交わすひと
恋月 ぴの

夢とか希望って軽々しく口にしてはいけないよね

これでも恋わずらいなんだろうか
鬱陶しさに心は暗く沈んでしまっているけど

なんだか身体は心模様とはうらはらに
不思議と元気みなぎっている

あの坂の上までなんて嫌だな

軽やかな足取りはわたしの意志など知らん顔

病は気からだったよね

大きくカーブするその先は平坦なはずだったのに
まだまだ先は長いとだらだら坂は尾根伝い

知らぬが仏

なんか違う気もするけど
昨日までのわたしを引き摺ることなく

今日は今日
明日は明日の夢とか希望がある

晴れあがった秋空はそっけなさが持ち前で
そんな優しさに何故かほっとするわたし自身に気付く




神さまとか永遠って軽々しく口にしてはいけないよね

それって、それぞれの心うちにあるものだし
誰かに押し付けようとしたって

心の扉は固く閉ざされてしまうだけ

ノックは無用

ひとの心うちにはお地蔵さまというか
ご先祖さまの眼差しにいだかれているのだから

やっぱ大切にしないとね

ご都合主義でもかまないから
気が向いたときにでも感謝したりして




落ち葉みたく降りつもった言の葉
かさこそ何やら囁いて

どこかに置き忘れたはずのまごころは
胸元のポケットにこっそり隠れてた

あれれ、こんなにも恥ずかしがり屋さんだったのかな

秋って素敵なんだから

ないしょはないしょ

誰かに話しちゃ、叶うものまで叶わない





自由詩 交わすひと Copyright 恋月 ぴの 2011-10-31 13:27:15縦
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