遠泳するぼくらは永遠の幻をみる
空中分解
赤く濁った水の中で
泳ぐ気力は尽きてきて
揺らいでいるのは君なのか
霞んでいくのはぼくなのか
深く潜った海の中で
肌は冷たくなってゆく
おぼれているのは君なのか
沈んでいくのはぼくなのか
泳いでも泳いでも見えもしない陸を探し
足掻いても騒いでも誰の目にも留まらずに
いつの間にか暮れて肌寒く感じる中で
それでも手を振り
叫び
遠くに見える小さな灯を見出し
それを幻ではないと願い
また泳ぎだす
自由詩
遠泳するぼくらは永遠の幻をみる
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空中分解
2011-10-19 02:24:24