きみの名は
橘あまね

やさしい光の数々は レントの風に乗って
流れていきます
どこへ向かうのか 知ることはできないけれど
きっと幸福があると推測するので
ぼくはこの身を任せて 光と一緒に
流れていこうと思います

ときおりいっそう光を強める
七色の花のひとがもつ
悲しみと慈しみと一緒に流れていきます

ぬくもりの日も こごえる日も
あくまで等価値なのであって
世界はどこまでも澄みきっています
好き嫌いばかり言っては
わざと穢れようとしたぼくの営みも
本当はけして穢れてはいなくて
季節ごとに繰り返される花たちや鳥たち
世界でいちばん美しいものたちと
いつも一緒に流れていけることを
教わりました

この世界が恒星の熱量によって
動きを与えられ 大きな巡り合いの中にいるように
ぼくもまた世界に包まれています
かぎりない熱量に命をもたらされて
愛されている 小さな星のひとつです
たがいを引き寄せ合う もう一つの星と巡り合ったとき
この体は世界のちいさなレプリカとして
新しい軌道を授かったのです
新しい星を育むための
温かみを与えられたのです

流れていきます 
きみと一緒に
きみの名は、
ハピネス。



自由詩 きみの名は Copyright 橘あまね 2011-10-18 08:13:36
notebook Home 戻る