お互い様なふたり
三奈


敷き詰めた地雷
踏まないように爪先立ちで歩く君

だけども小指が当たってしまって
凄まじい音と共に
私の心に闇が迫る

“ごめん、ごめん”と焦る声
熱くなる目頭
笑いたいのに、笑えない
割れるような地雷の音が
頭にこびりついて、いつまでも離れなかった




穏やかな日々を送りたいのに
人間というのは難しい生き物ですね

ため息をついて顔をあげる
視線の先にあるのは、敷き詰めた地雷と
うなだれている小さくなった背中

改めてみるとすごい数
こんなのよけて通れるわけがない
君が、蟻んこでもないかぎり

きっと、穏やかな日々なんて
意外と簡単に手に入るんだ

難しい生き物なのは人間ではなく
地雷を敷き詰めている
“私自身”だったんだね

闇の中で導き出された答え
それを呟くと
うなだれていた君が、ゆっくりとこっちを向いた

振り回して、振り回されている
これが今の私たちの関係

だけど幸せになるために
安らぎや安定も欲しいから


雲を見上げて私は考え始めた
無数にある地雷
それら一つ一つの処理方法を

狭くてもいい
二人が歩けるくらいの
細い道を作り出す為に















自由詩 お互い様なふたり Copyright 三奈 2011-10-17 23:50:55
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