詩をよむ
メチターチェリ

詩をよむ

襟をただして 向かい合い
掬いとられた言葉に耳を傾ける
駆けても丁寧にしても捕まえられない
のろまな自分をちょっとま棚に上げて
他人の世界に没頭すると
動き出すはずだ

「ゴト」

心の栓を少しだけ緩める
緩め過ぎないよう
温度はありのまま
呑みこんだら人肌にして
心の片隅[自尊]カテゴリーの
(愛)よりは少し(かなしみ)に近いところに
そっと置く

自分のとは別の部屋にとっておく

取り出すとき いつも遅すぎるかもしれない
少なくとも
見当違いな言葉が飛び出さないように
気を張っているのが精一杯だ

感情

それでも

詩をよんだその後には
表現の欲求が湧いてくる

無駄ではないと思えるはずだ

単純で切実な衝動は
理性の側に預けておいた
気掛かりで
何度も
振り返ってみずにはいられない

衝動が何かのかたちをとって笑いをつくる
わたしは厳粛に受け止める


自由詩 詩をよむ Copyright メチターチェリ 2011-10-17 19:07:14
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