満月
たちばなまこと


満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ

だいだい色の満月
あたたかさを掬う
報われるってすてき
生きるちから
こみあげる

満月よ
午前には完全なる
夜明け前の脱力
私のかたちをそのままなぞると
つくよみの君が
満ちた





自由詩 満月 Copyright たちばなまこと 2011-10-13 00:45:38
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