読むの禁止
ピッピ

ひらりくるり
かれはおちてきて
ふみつける意志もなく
ふみつける
じゃかり
ひとりで生きているようで
ほんとうはひとりで生きていない
しかしそれは
じぶんの意志とはまったくむかんけいのところで
うごいているだけのはなし

きもちわるいって
いってくれたこと
あったね
あれ
いまでもおぼえてる
すきって
ことだったんでしょう
でも
もうしんじゃった
ことばは拙いね
てろりと
掬おうとした
ゆびのすきまからおちて
そのうえになみだふりつもる
なみだよりもこまかい素粒子で
てろり
て てろり
ゆびのすきまから
なみだなんかよりも
はやく

わたしでも
あなたでもないしゅじんこうの
わたしでもあなたでもないじかんじくの
ことばがあって
ゆれうごくこころはだれのもの
いちまいずつはがして
ほんとうが見えたらいい
でもことばは
あなたのあたまのうえに
いつでもふりそそぐ光
あなたのこころのなかに
いつでもしみこんでいく光
そしていつか
わすれていくための光


自由詩 読むの禁止 Copyright ピッピ 2011-10-12 20:21:09
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