Eを着こなす膝小僧
あおば

            111005




ちょっとだけ
お知恵を拝借
素直に
πを分け合う時は
いつ訪れるのでしょう
いつでも就職難の記憶だけが残り
さほど期待されることはなかったのですが
それでも
食パン一斤20銭の時代に
1本2円もしたからねと
古ぼけた光を放つ
骨董じみた真空管が
薄汚れた
並四ラジオを鳴らしてる
はぁーというばかりで
耳を塞がれたままに
無関心な通行人
逮捕され
連行される前にたらふく食べたいと
食欲を満足させるクリアーファイルの不透明な生活感から
自動車が
エンジンを取り去られたときの気持ちを想像してくださいと
表現の手ほどきを受けている幼稚園生は
隣の保育園との合戦に備え
雪だるまをいくつも用意しては
目玉の炭団に火を付ける
めらめらと燃えだす両眼
Eビーム光線が放射され
見つめらた敵を火だるまにしてしまうと
教えられ
必要量の3倍も雪だるまを作ってしまう律儀な園児達は
今夜降るという初雪の降り積もる光景を想像しては
保育園との雪合戦を楽しみにしている
どんなに
膝小僧を冷たくしても気にしないその若さが羨ましい
てほどきする先生のつぶやきを発信するiphone5が鈍く光り
真っ黒な炭団の眼に火を付けた
今朝も水道管が凍結して破裂する音が鳴り響く





「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作



自由詩 Eを着こなす膝小僧 Copyright あおば 2011-10-05 20:48:40
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