apoptosis
高梁サトル


線が
思惑に触れて角度を変える
その鮮やかな反応
点々と落ちる
幾つかの俗情を振り払い
歩き出す私たち

今日もまた
背の後ろで翻った背に
声を掛けることさえできず
握り締めた手の中で
やわい白昼夢をとかす

僅かな望みも捨てた私に
ささやかな肯定を分けてくれた
あなたの歌が聞きたい
その声で

(これは至る道筋)
(私への)

円環の限りを脱ぎ捨てる
準備は整っている


自由詩 apoptosis Copyright 高梁サトル 2011-10-04 02:07:23縦
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