沸く
本木はじめ
する事もなくて真夜中ぼんやりとモノクロ孔雀を鮮やかに塗る
あの頃は確かに僕ら透明度高くて空も嫉妬していた
閉じ込められていない 朝食は海 ここから遠い僕のはじまり
瞬きをせづにドライブ乱暴な光がときおり儚く揺れる
動かないロールスロイスから空を見上げたでかい桜の下で
あきらめることができないそうですか僕はあなたが大嫌いです
嫌悪するきみの間近で気絶する外国人は僕じゃないです
灰色の夏の思い出きみが持つ原色図鑑が海馬で映える
不眠症無数の夢が次々と僕の真横を通過する夏
言葉ではなくて不自由。夢ならば覚めずにこのまま粒子のままで
立ち直るあなたをとおくから観てます良かった僕じゃなくて良かった
ハーモニッ(ク)カラーを胸に目は閉じて失色しても構わない冬
生まれた日、目にしたひかり、今日、明日、昨日も目にした目にするひかり
暗黙の領海侵犯つまんない口癖ごおくろくせんまんねん
僕ときみ今が旬だねもう二度と来ないを今後は一緒に悔やもう
沸いてきた 遂に自ら現象と、なってみんなをおいて失神
短歌
沸く
Copyright
本木はじめ
2011-09-28 03:51:49