同じ空の下
itukamitaniji

同じ空の下

君が旅立ってから 心の何処か隅の方に
ぽっかりと穴が 空いてしまった気分になった
その穴を埋めるように 日々は流れ続ける
何事も無かったかのように 過ごしている

もっと気の利いたこと 言えれば良かったかな
酔った勢いで 昔の馬鹿みたいな思い出を持ち出したり
僕らずっと 同じ本の中の登場人物だったんだ
君と過ごした日々の話も 結構な神回だったと思う

僕らが今居る場所は あの夏の蜃気楼の向こう側さ

いくつの悲しみを 越えて来たんだろう
その度に現実を知って いつの間に幻を追い越した
強くならなくて良い どうかあの頃の君でいて
変わりゆく世界でも どうかあの頃の君でいて


あの頃に投げたボールが 放物線を描いて
今更になってようやく 届くことがある
やっと君の言いたかったことが 分かって走っても
もう過去には追いつけず 未来に追い抜かれた

立ち尽くして見上げた 空の色の名前を探した
きっと無限の名前があるよ 同じ景色は一つとして無い
その中を君は歩き続ける すごい早さで進むストーリー
誰もがきっと旅の途中 この同じ空の下


自由詩 同じ空の下 Copyright itukamitaniji 2011-09-16 06:50:44
notebook Home 戻る  過去 未来